違法ダウンロードの罰則強化について考察

結論を先に書く。ビジネスモデルを守ることではなく、進化させ変えていくことが大事である。


「違法ダウンロードする屑どもは捕まればいい。そんなもの行わなければ関係ない。」
という考え方の人が2chやブログにより多数見受けられた。
さてさて、そこで思考を止めても良いものか。

まずは著作者側から考察していく。ここではコピーしたゲームを違法にアップロードされたときの開発者の気持ちを推測してみる。

前提:発売したてのゲームがネット上にアップロードされ誰でもダウンロード出来る
一言で表します。

「ふざけるな!」

という負の感情が予想される。


では発売したてではなく10年前に作ったゲームがアップロードされ誰でもダウンロード出来る状態だったら?
おそらく「ふざけるな!」には成らないでしょう。
「またプレイしてもらえる。やってくれる人がいるんだ。」
と言った嬉しい感情になることが予想出来る。(経営者の場合はまた別になる)
正直、中古屋ショップが存在している以上昔のゲームを新品で購入されることなんて無いだろう。


しかしながら、最近は古いゲームをWiiでダウンロード出来たりするのでまた状況が変わってきている。
開発者の視点は置いておくとする。本当の著作者の経営者からすれば、やはり無断でコピーしてアップロードするのは悪である。
そこからダウンロードされたことによって機会損失を被ってしまっていることになる。
この機会損失というのをダウンロード数=機会損失にしてしまうのは乱暴ではあることを一言付け加えておく。
とにかく数字上では損失なのでマイナスであり、良いことではない。


ダウンロードを行ったものに対しても悪として良い物かは考え物である。
数字だけで見れば損失が売上に変わるのでやはり悪なのだろうか。
私は悪なケースもあればそうでないケースもあると提言する。
そのゲームを落とすということは最低でも興味を持っているということなのだ。
完全に締め上げてダウンロードを無くすということは興味さえ示さなくなるケースもあるだろう。
いわばゲームそのものから撤退してしまう。


こんな風に言うと
「どうせ買わないのだからいてもいなくても同じだろうww」
という意見が出てくるので補足しておく。
もちろん影響のない人も大勢いるだろう。逆に影響のある人もいるだろう。


私はゲームをプレイしてくれるというのは稀有な才能だと思っている。
何年も前からゲームは悪玉にされてきた。
何か犯罪があれば「ゲームのせいだ、子供が暴力的なゲームに影響された。規制しろ。」
とされてきた。テレビを使って延々と。中には大学の教授が商売のネタに使ったこともあった。
そんな、誹謗中傷されているゲームをプレイしてくれている。
本来なら誰もプレイしなくなってもおかしくないくらいに叩かれてきた。でも愛してくれている人たちがいた。
違法ダウンロードしている彼らもその一人なのである。本来ならば同士なのである。
ほんの少し、何かが変われば双方が幸福になれる形があるのだと思う。
一方的に締め上げるのは何とも言えない息苦しさを感じる。
規制はコンテンツの衰退にも繋がる。過去にジャスラックが同じことをして音楽業界を衰退させている。
ジャスラックの件はまた別に書くことにしよう。
ソーシャルゲームやMMO、アイテム課金はそういった新しい良い形の一つである。
課金システムを悪く言う人も大勢いるが私は賛成である。



PCという媒体は今は一家庭に一台くらい存在している。
インターネットに繋がるPCさえあれば知識一つでデジタル物ならコピー可能となる。
違法ダウンロードの罰則強化というのは倫理観の拡大化とも言える。
故に先ほどの「関係ない、やる奴が悪い」の発想で止まってしまう。
何故ならそれが「悪いことだから」と法律を制定されたことで植え付けられたからである。



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最後に言っておきます。著作権を蔑ろにしろと言っているわけではありません。
ただ、既得権益側を優先する日本の姿勢がどうにも宜しくない。
新しい技術やビジネスモデルを育てないで、既存の技術やビジネスモデルを何が何でも守ろうとする。
それはイコール技術の停滞に思想の停滞に繋がるのではないかと思っています。


そして、私が恐ろしいと感じているのは倫理観の肥大化です。


現在の既得権益を守る形で倫理観を拡大するということは既得権益の力を強めることになります。
強まれば強まるほど世の中が歪になり、強いものが弱いものを圧迫することになるのではないかと予想しています。


現在の日本で目立っている既得権益層は間違いなく東電でしょう。
あの人達の傲慢な行為を見て腹の立った人は多いでしょう。それが一般人であり正常な感性です。
そしてあの人達の言動、行動、考え方こそが既得権益の力の強化の成れの果てです。



既得権益を全て批判しているわけでもありません。経済の流れにおいて既得権益は必要なシステムであることは確かです。
大切なのは強くなり過ぎないこと。同じグループの人間達で食い物にしないこと。
既得権益層は数年で違う人間に変わって行く必要があると思っています。
本来であれば江戸自体にあった参勤交代のように力を削ぐ必要があるのです。
なのに、それに逆行していることばかり行う。それに関して疑問に思わない。思考を停止してしまっている。
それが悲しい。
今回の改正案を素直に認めるというのは、既得権益層に対してもっと強くなってねってエールを送っていることと同じです


後は海外の問題とかもありますが今回はここまで。本当は映画、アプリケーション、アニメとかも振れたかったけど力つきました。



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